三人ずつのチームをくじ引きで決定しました。
「竹チーム」・・・浩・麗・雅 × 「松チーム」・・・曽・安・昌
----------------- 先鋒戦、開始! -------------------------
(浩) この句は、誰でもすぐに情景が目に浮かぶと思います。傘をささなくても大丈夫なくらいのしとしと雨に、いつの間にか服が濡れていたという発見を詠みました。
(曽) 雨、雫、濡れる、と水関係の言葉が多くて、くどい気がします。
(浩)じゃあ、どう変えればいいんですか。(けんか腰!)
(曽) そんな怖い顔しなくても・・・。僕は濡れるのが嫌いなだけなんです・・・(大笑)
(麗) 三つの言葉とも水関係って言うのはあってるけど、そういう関係のある言葉を並べることを「縁語」って言うのよ。だから、梅雨のイメージがふくらんでいいんじゃない!?
(曽) じゃあ、今は七月だから「さつきあめ」は良くないと思います。
(恵) それは「さみだれ」って読んで、陰暦(いんれき)の五月頃の雨だから、梅雨のことなのよ。
<後方 松チーム>
鳥たちが お城の下で 雨やどり 曽
(曽) お城の下で雨宿りしている鳥たちの、幸せそうな気分を詠みました。
とても素敵な句です。(自画自賛)
(浩) 鳥たちは集まっているんですか。(またまた、けんか腰!)
(大) 集まっているとか、何羽いるとかは問題じゃなくて、雨宿りしているように見える感覚が大切なんじゃないかな。
(曽) そう、その感覚です!!(笑)
(麗) なんか、ただ説明しただけで、広がりがないのよね。季語もないし・・・。
(そうだ、そうだ!笑)
(曽) 僕の俳句に季語はいりません。自由律俳句です。もちろん、僕自身も自由です。
(大笑)
<判定>(審判は3人)
竹チーム 3 ― 0 松チーム 竹チーム1勝
<先行 竹チーム>
----------------- 次鋒戦、開始! -------------------------
梅雨入りや それでも人を 待つ狛犬(こまいぬ) 麗
(麗) まず目に入ったものが狛犬でした。狛犬は、私たちを出迎えてくれました。
雨でも待ってくれていたのです。
(曽) 狛犬がどこにいるのかイメージがわきません。
(浩) 狛犬は、神社以外どこにいるんだよ。お城は神社と一緒だっただろ!
(やはり、けんか腰。浩以外は笑)
(昌) 梅雨入りと狛犬との関連がないのではないですか。それに、梅雨にするのなら
「静かに人を待つ」の方がいいんじゃないですか?
(麗) すみません、曽君と違って無理矢理季語を入れようとしたので・・・。(泣)
でも、それは「取り合わせ」って言って、関連のない言葉同士が想像力を
生むんじゃない?
(昌) でも、それじゃあ、梅雨でなくても「炎天下」でも「大雪や」でも
よかったんですよね。つまり、季語が動きますね。
(雅) 梅雨だからこそ、雨に濡れて苦しくても、静かに待っているという雰囲気が
出るんですよ。だから、「それでも」という言葉であり、「梅雨」なんですよ。
(大) 「や」という切れ字を使っていますね。切れ字のあるところに感動があるのだから、
この句の主題から言うと「狛犬や」の方がいいんじゃないですか。
(麗) それは、私もそう思っていたんですけど、先生が、「や」は初句に持ってきた方が
いいって、変なアドバイスするから・・・。 (また泣) (全員大笑)
<先行 竹チーム>
<後方 松チーム>
「木の葉から小雨したたりかわづ鳴く」 安
(安) 雨を見ながら、その時思いついた情景を詠みました。
(雅) 普通すぎて深みがないなあ。
(昌) 「シンプル イズ ベスト!(単純が一番)」。
一枚の絵が描けるような、いい句です。
(雅) 「小雨したたる」はどうでしょう。小雨ならしたたりませんよね。
(麗) そう、そう。それに、小雨って「シャーッ」って降る感じよね。
(大) 「雨粒」くらいにすれば良かったのかもしれないけど、「かわづ」が、
小雨を喜んでいる様子はよく出ていますよ。(フ〜ン、なるほど)
(雅) そういえば、蛙はいなかったぞ。嘘をついているじゃないか。(笑)
(昌) いいんだよ。グリーンダヨ。想像力が俳句だよ。(大笑
<判定>(審判は3人)
竹チーム 3 ― 0 松チーム 竹チーム2勝
----------------- 大将戦、開始! -------------------------
<先行 竹チーム>
(雅) ただ狛犬が、待っています。何も言いません。梅雨の静けさに、狛犬の静けさ。
静けさがいっそう深まるのです。
(曽) 「たたずむ」はわかりにくいですよね。
(浩) それは、君だけだろう。頭を使ってよく考えろよ。
(相変わらず、けんか腰!みんな大笑)
(昌) 梅雨時は何にでも言い換えられるよ。
(雅) 梅雨時は、雨以外何もない。だから静かだ。狛犬だ・・・。
この言葉以外ありません。
(安) 麗さんと、俳句がかなりかぶってますね。(笑)
(大) 雨は静けさよりも、うっとうしさの方が強くなるからこの句には、
「雪の中」くらいの方があってるような気がするよ。(フ〜ン、なるほど)
(雅) では、冬にもう一回詠もう。(大笑)
<後方 松チーム>
(昌) 天守閣から元気良く飛び立っていく鳩をイメージしました。
(雅) 鳩は大空に飛び立っていくのではないでしょうか。梅雨空に飛び立っていくのは
無理があります。
(曽) 鳩は、雨の当たらないところまで飛び立っていったんだと思います。
(浩) 雨が当たらない梅雨空なんてあるわけないだろ!!
(いつまでも、けんか腰!みんな笑)
(玲) そう、それに今、天守閣の屋根の下にいて濡れていないのに、
なぜ飛んでいくんでしょうか。
(大) 現実の鳥の様子は関係ないんですよね。ザーッと降る梅雨ではないんです。
静かに降る梅雨なんです。
だから、そんな梅雨空に負けないぞという気持ちとか、むしろ鳩が雨を
楽しんでいる様子とか、いろいろ想像がふくらみそうです。
鳥が、鳩っていうところも、平和の象徴だし、明るいイメージを与えますよね。
(フ〜ン、なるほど)
<判定>(審判は3人)
竹チーム 0 ― 3 松チーム 竹チーム2勝1敗
まだまだ続きます! →