そういえば、カラスという漢字は、「烏」と書く。

 

 

鳥が目を失ったような字だ。全身真っ黒で、どこが目なのか分からないから、

んな漢字を当てられたのだろうか。

 

 

どうもカラスには誤解が多い。

 

 

 

僕は、「カラスの行水」を見ながら、独身の頃、風呂屋の閉店時間に間に合わず、

家の流し台に座って行水をしていた頃の自分を思い出した。

 

 

 

 

同時に、お湯を沸かすのが面倒だった五右衛門風呂も思い出した。

温かいシャワーを浴びる時、人の目は必ずトロンとしてしまう。

 

 

 

確かにこれもまた気持ちいい。

それに比べて、夜の行水は体中がえわたって震え上がる。

 

 

 

 

でも、その震えは、情けない震えではなくて、「武者震い」というべき震えなのだ。

 

 

その時の僕の目には、力があった。生きているんだと実感できる力だ。

世の中全体がトロンと温かくなって、行水も、五右衛門風呂も、武者も消えていった。

 

 

それに合わせて世の中からいつのまにか厳しさも消失してしまった。

 

 

水の冷たさと美しさを心から感謝して受け入れるカラスの目を、多くの人間が失ったのだ。

 

いつ、どんな時間でも温かいシャワーを浴びることのできる人間は、

自分に対する厳しさを失うだけでなく、

素直にまっすぐに未来を見る目の力もなくしてしまう。

 

 

 

その結果、ぬるま湯の温かさばかりを追い続け

今、

地球温暖化というものすごい温かさに仕返しされ始めているのだ。

 

 

もう一度人間が、厳しい目を向けなければ、

地球の未来はどうにもならなくなってきている。

Nihon Bunka Kenkyukai

あなたに伝えたいこと 10

 

 目 力 (めぢから) 

 

目力(めぢから) その貳

 

東京国際女子マラソンで、土佐礼子が高橋尚子に勝った。

 

一人でがんばるQちゃんを応援したい気持ちもあったが、愛媛のいや、

北条の土佐が勝ったことに、素直に世界選手権での健闘を祈りたい。

 

そのレースで、解説していた金メダリストの野口みずきが

 

「目力(めぢから)」

 

という言葉を使っていた。人間の行動は、「目力」で決まるらしい。

 

 

トップ集団から脱落していく人間は、顔や足が苦しくなっていくだけでなく、

急激に「目力」がなくなっていくそうだ。いい言葉だと思った。

 

カタカナで言ったらダメだと思った。

 

 

「アイパワー」なんて言うと、とたんに神秘的な世界に連れて行かれそうで、

マリックさんや細木さんの世界になってしまう。

人間自身が持つ最大の力が「目力」なのかもしれない。

 

 

 

「目は心の鏡」「目は口ほどにものを言う」……。

 

 

 

目に宿る力は心の力そのものだ。

 

まっすぐに素直にものを見る「目力」を失って、他人をさげすむような目をしたり

、他人をにらみつけたりしているものはいないか。

 

 

 

他人を傷つけず、自分をらないようにするために、いつも「目力」を持っていたい。

 

 

 

 

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